最近はPodcastを聞いたり、NHKのラジオを聞いたりしてます。NHKのラジオは、柳田国男の本の朗読があったり、様々専門家に全4回ほどでいろいろ聞いてくる番組がありよいです。
ということで、今回はNHKラジオ第2 私の日本語辞典「ことばでたどる化粧の文化」を聞いた記録です。
全4回で日本における化粧の文化を時代を追って解説している番組です。全4回それぞれのまとめを書こうかとも思いましたが、普通にめんどいので面白かった部分を切りだして書いておきます。聞きながらのメモベースなので、間違いもあるかもしれませんのであしからず。
化粧の4つの機能 (第1回)
化粧には以下の4つ機能があると紹介されました。
- 美しくなる
- 実用性
- 社会的機能
- 呪術的・宗教的機能
ここで、実用性というのは例えば自衛隊の顔のペインティングなどです。社会的機能とは、典型的には昔のお歯黒のように既婚・未婚などを表す化粧です。呪術的というのは、たとえばお祭りの時に稚児が額に赤い点をつけて、神の依代であるのを示すというようなことでした。
日本の化粧の基本色 (第1回)
日本の古代からの化粧の基本色は白・赤・黒であると紹介されていました。この3色による化粧が、明治になって西洋の化粧が入ってくるまで使われていたようです。
白の化粧 (第2回)
いわゆるおしろいになるかと思います。おしろいは古代から米をつぶしたもの(穀物おしろい) -> 鉛おしろい -> 水銀おしろい、と変わっていきます。
ただ、江戸時代には鉱脈が絶えたこともあり、水銀おしろいは身分の高い人のみになっていたようです。水銀おしろいの方が、若干キラキラするらしく良かったとか。
赤の化粧 (第2回)
江戸時代に紅花の紅を使っていたようです。文化文政時代には、紅をたくさん塗って唇を玉虫色にするのが笹色紅といって流行ったんだとか。紅をたくさん使えない人のために、炭を塗ってから紅を塗るという代用法も紹介されていました。
黒の化粧 (第2回)
お歯黒と眉を剃ったり描いたりの化粧です。
江戸時代には結婚するとお歯黒をし、子供ができると眉を剃るよるような習慣だったようです。社会的機能の化粧というやつですね。
お歯黒で塗るものは、お歯黒水とふしのこを混ぜた黒インクと同じ成分の液体です。お歯黒水はおかゆか、うどんの茹で汁・お酒・お酢・古い釘などの鉄分を煮込んで、醗酵させたもの。ふしのこはタンニンを含む粉です。
お歯黒水の製法から想像できる通り、とても臭かったようで、家人が起きてくる前につけるとかしていたようです。他にもなかなか定着しない人は、るりのつゆ(?)をつけて歯のエナメル質を溶かしてからお歯黒をつけるなどもあったようです。
そんな苦労もありながら、結婚・子供の証明となる幸せの象徴となったり、まあ色々いまから見ると難しいですね。
武家社会の男性の化粧 (第1回)
平安の在原業平などが化粧していた(お歯黒もしてたとか)ものが、段々と平家、身分の高い武士のなども化粧するようになっていたようです。面白いのが、身分の高い武士が化粧していた理由が「戦場で首をとられても大丈夫なように」という話でした。最期まで美しくですかね。
江戸時代の美的感覚と目を小さく見せるコツ (第2回)
当時、目が大きいのはあまり良くないとされ、対策として「座ってるときは半間先斜め下を見る。立っているときは一間先を見る。伏し目がちになって、目が大きく見えなくて良い」というのが紹介されていたようです。
明治・大正の化粧 (第3回)
明治政府の方針として、外から見える日本独自の風習は変えたい、ということでお歯黒・眉化粧をなくしていくこととなりました。皇后・皇太后がお歯黒・眉化粧をやめましたと宮内庁が発表したりもしたようです。これにより、眉も自然な眉・太い眉がよいと変わっていきます。
大正には肌質別の化粧水・目的別のクリーム・ブルーのアイシャドウ・リップスティック・つけまつげなども出てきます。また、おしろいも、かつては白一色であったのが、肉色・肌色と言われるように多色化していきます。
戦前・戦後の化粧 (第4回)
第4回は基本的に各時代の流行をかけあしでいったので、列挙しておきます。
- 戦時中
- アイシャドウは早くに禁止される
- 終戦直後
- ファンデーションが入ってくる
- 白・肌色からピンクへ
- ファンデーションが入ってくる
- 昭和30年代
- オリンピックとカラーテレビによりアイシャドウの流行
- 昭和40年代
- レジャーの流行から、小麦色の肌のブレイク
- 立体的メイク
- 昭和50年代
- 日本人にあった化粧 ナチュラルメイク
- 自立の象徴としての太眉
- 平成
- 多様化して大きな流行で括りにくい時代
- 1000年ほど続いてる黒髪が美しい美意識が変化し、髪を染めることが一般的に
- 容姿より気立てという意識から、見かけがよりプラスのイメージで語られるようになる
化粧の意識
いまでも言われていますが(めんどそうですが)化粧は身だしなみとの意識が古くからあったようです。そのために、戦時中であっても、マナーであるために薄化粧は可能であったといった話がされていました。根強いものなんですねこれ。
以上、化粧の側面から見て時代とともに意識が変わっていくのが見てとれます。その一方で化粧がマナーとか意外と長い習慣なものもあるのだなと知りました。
このまとめ、4回分でまとめてやると長いし大変なので、1回聞くごとぐらいでやれるといいですね。ではまた、やれたらやります。