ver 34.0 がリリースされました

本日付でver 34.0になりました。年次リリースなので、特に向上したこともありません。もっぱらメンテナンスモードのリリース年々です。四捨五入で30に留まれる最後ね。

本リリースとして以下があります。

  • 子供がかわいい

    • しゃべっており、激しく楽しく動いており、元気でよい
  • お買いものとか

    • 家を買った
      • 借金が莫大に増えた
    • バイクの免許(小型)をとった
    • キリンのホームタップをやりはじめた
      • 近くに飲みにいく感じのとこもないし、家でやってくのが楽しくてよい
    • スタンディングデスクの足がある
      • 足しかないので、胴体が実装されるべき必要がある
  • ガジェットとか

    • Android Tabletに戻ってきた: Xiaomi Pad 5
      • 持ち歩くにはちょっとでかいなという気持ちだけれど、より小さいのがほしい時はKindle Paperwhiteでやっていくこととした
      • torneでテレビ録画を見たりするのには大きくてよい
      • kindleを読むにも最早よいかも…
    • Titan Slimがサイコーによい
      • キーボードつきの Android で自作IME(T-Code)で漢直をしていると、ちんたらしたフリック入力では得られない栄養がある
    • Mibandの電池が短くなってきたのを実感
      • 携帯にSuicaがなくなったので、それもこめてFitbitをほしいところ
  • 趣味

    • 読書: 漫画ばっか読んでて、本の進捗がひどく悪い…
    • Podcast: wonderyのものを聞きすぎている。面白いけど、無限にコンテンツが積まれてしまう。
    • bitburnerをやってる: コード書いて動くゲームって楽しいね…
    • SlowNewsが死んでかなしい: すぐサブスクがなくなってしまった。blogに書いたぐらい好きだったのに。

今後の抱負

  • お酒を適度に。
  • なんやかんや(読書とかGentooとか自作IMEの芝刈りとか)の事をやる時間を増やす
  • でも、朝は散歩するとよいので、そのために早起きするとなると夜は時間ないし、総合的に時間はないねという気持ちになる。
  • 読書のスケジューリングをもうちょいよくして、読むものより捨てるべきものを選択したい
  • Podcastで色々聞きすぎて追い付いてないので、英語パワーを上げて、1.x倍速ぐらいで聞けるようになるといいな…
  • Rust力を上げたい

ほしいも

https://www.amazon.jp/hz/wishlist/ls/1L7MBLZGS6AA?ref_=wl_share

f2tfsができたよ としぁ Adventしたね Calendar 2022 #toshi_a解凍

みなさん、ファイルシステムは好きですか。パソコンを使っていれば、毎日のようにお世話になっているはずで、その意味ではファイルシステムってご飯のようなものですね。なので、みんなファイルシステムのこと大好きだと思います。

世の中、いろんなご飯があるように、Linuxにもその他のOSにもたくさんのファイルシステムがあります。変わった食べものがあるように、変わったファイルシステムもあれば、変な自炊するようにサクサクおもしろファイルシステムを作ることができます。

ということで、まずは今回作ったf2tfsの概略図です。f2fsではないです。

f:id:meech:20220415091853p:plain

どんなファイルシステムなの

図だけでは、わけわからんでしょうから、実際使ってみましょうね。

まずはmount pointを指定してスクリプトを動かしましょう。

$ sudo ./f2tfs.sh /mnt/f2t

mountしたとこを見てみましょう。 user_id というファイルしかないですね。つまらないファイルシステムだ? いえいえ、ここに謎の数字を書いてみましょう。

$ cd /mnt/f2t
$ ls -li
total 1
2 -rw-r--r-- 1 root root 2 Apr 14 20:15 user_id
$ echo 15926668 > user_id

するとどうでしょう。謎の数字のファイルたちがでてきましたね。中身を見てみますと、どうにもておい文字列が出てきました。やったあ。

$ ls -li
total 11
1509907199010611200 -rw-r--r-- 1 root root  91 Apr  1 23:55 1509907199010611200
1509908201327763469 -rw-r--r-- 1 root root  51 Apr  1 23:59 1509908201327763469
1509912170800328706 -rw-r--r-- 1 root root 112 Apr  2 00:14 1509912170800328706
1509912225514885122 -rw-r--r-- 1 root root  22 Apr  2 00:15 1509912225514885122
1510963930205544450 -rw-r--r-- 1 root root  59 Apr  4 21:54 1510963930205544450
1510974849564372993 -rw-r--r-- 1 root root  47 Apr  4 22:37 1510974849564372993
1510974859496501253 -rw-r--r-- 1 root root  47 Apr  4 22:37 1510974859496501253
1510975098974453763 -rw-r--r-- 1 root root  55 Apr  4 22:38 1510975098974453763
1510983572399689730 -rw-r--r-- 1 root root  95 Apr  4 23:12 1510983572399689730
1510983608713981954 -rw-r--r-- 1 root root  31 Apr  4 23:12 1510983608713981954
1510990036564529160 -rw-r--r-- 1 root root 108 Apr  4 23:37 1510990036564529160
1510991713069789186 -rw-r--r-- 1 root root 104 Apr  4 23:44 1510991713069789186
1510991766572347392 -rw-r--r-- 1 root root 154 Apr  4 23:44 1510991766572347392
1511337205486452738 -rw-r--r-- 1 root root  47 Apr  5 22:37 1511337205486452738
1511337272939286529 -rw-r--r-- 1 root root  19 Apr  5 22:37 1511337272939286529
1511337376295317506 -rw-r--r-- 1 root root  37 Apr  5 22:38 1511337376295317506
1511337725479497730 -rw-r--r-- 1 root root  82 Apr  5 22:39 1511337725479497730
1511337915154333700 -rw-r--r-- 1 root root  71 Apr  5 22:40 1511337915154333700
1511339259349073922 -rw-r--r-- 1 root root  85 Apr  5 22:45 1511339259349073922
1511339988646252548 -rw-r--r-- 1 root root  35 Apr  5 22:48 1511339988646252548
                  2 -rw-r--r-- 1 root root   9 Apr 14 20:17 user_id
$ cat 1510983608713981954
これめっちゃきらい!

さて、なんとこれらのファイルには書くこともできます。だって"f2tfs"ですからね。

$ echo 1 > 1511337915154333700

するとどうでしょう。ツイがふぁぼられてますね! F2T! F2T!!

f:id:meech:20220415091932p:plain

ちなみに他の値は書けません。"0"書くとあんふぁぼしたりしません。ふぁぼるためだけの存在なので。

中身のはなし

さて、このようにf2tfsはツイ一トを読んだりふぁぼったりできるファイルシステムなわけですが、その中身はどうなっているのでしょう。実は動かしていたスクリプトは、ファイルシステム部分のラッパとかではなく本体です。そうです、簡単にサクッと作りたかったので、今回は簡単でおなじみのシェルスクリプトFUSEファイルシステムを作りました。

とはいえ、シェルスクリプトで全部自力でFUSEやったり、Twitter APIやったりするのはめんどいです。そこで、FUSEとのやりとりには以下の booze を使いました。一方、 Twitterとのやりとりはmikuterにお願いしています。

github.com

boozeはbashへのプラグインとしてできていて、builtinとして"booze"コマンドが追加されます。まず、連想配列を作ります。f2t_ops[read]=f2t_read など、システムコール名をキーとして関数名をつっこみます。

f2t_read() {
...
}

f2t_write() {
...
}

declare -A f2t_ops
for name in ${BOOZE_CALL_NAMES[@]}; do
        if [ "`type -t f2t_$name`" == "function" ]; then
                f2t_ops[$name]=f2t_$name
        fi
done

booze -o use_ino f2t_ops "$1"

これでbooze側から、システムコールに対応する関数が呼ばれてくるので、適宜関数を実装していきます。

一方、Twitterとのやりとりにはmikutterを使役します。mikutter-modeとかいうよくわからないリポジトリプラグインを入れると、mikutterがD-Busでサービスを開始します。

github.com

gdbusコマンドを使うとどんなメソッドがあるかわかります。

$ gdbus introspect -e -d org.mikutter.dynamic -o /org/mikutter/MyInstance
node /org/mikutter/MyInstance {
  interface org.freedesktop.DBus.Properties {
...
  };
  interface org.mikutter.eval {
    methods:
      ruby(in  a(sv) param,
           out s result);
    signals:
    properties:
  };
};

はい。org.mikutter.evalの中にrubyというメソッドがあります。mikutterの中でrubyがevalされるというゴリゴリやべえメソッドです。入力の型が"a(sv)"となっています。つまり、string("s")とvariant("v")のタプル("(sv)")の配列("a(sv)")です。なので入力がちょっと面倒なのですが、以下のように使います。

$ gdbus call -e -d org.mikutter.dynamic -o /org/mikutter/MyInstance -m org.mikutter.eval.ruby '[("code", <"p 42">), ("file", <"org.mikutter.eval">)]'
('42',)

これをこんな感じで、rubyコードを入れて使います。

mikcall() {
    read -r -d '' rb
    arg="[(\"code\", <\"${rb@E}\">), (\"file\", <\"org.mikutter.eval\">)]"

    log "${arg}"

    sudo -u ${DBUS_USER} gdbus call -a ${DBUS_SESSION_BUS_ADDRESS} \
        -d org.mikutter.dynamic \
        -o /org/mikutter/MyInstance \
        -m org.mikutter.eval.ruby \
        "${arg}" 2>>${LOG_FILE}
}

mikcall_tweets() {
    mikcall <<EOM
tw = Plugin.collect(:worlds).to_a[1]
result = nil
done = false
task = tw.user_timeline(:user_id => ${USER_ID}).next { |res|
  result = res
  done = true
}
while !done
  sleep 0.1
end
result.map { |msg|
  \\\\"#{msg.id} #{msg.created.to_i} #{msg.modified.to_i} #{msg.message}\\\\"
}.join(\\\\"<>\\\\")
EOM
}

sleep 0.1のループとかださいことしてますが、delayer-deferredよくわからんかったんじゃ。

びみょうなはまりどころ

びみょうなはまりどころを簡単に紹介しておきます。

inode番号とツイートのIDを一致させたかった

一致させたいよね。statでinode番号を教えても、デフォルトではFUSEは無視します。inode番号を使ってもらうには"-o use_ino"をmount optionにいれねばならぬのですが、boozeコマンドはそれを受け付けてくれません。なので、以下のpatchを当ててやりましょう。

diff --git a/booze.c b/booze.c
index 1231dbe2fde6..43c6d0c253da 100644
--- a/booze.c
+++ b/booze.c
@@ -639,7 +639,7 @@ static int booze_builtin(WORD_LIST* args)
    fuse_argv[0] = "booze";
    fuse_argv[1] = "-s";
 
-  while ((opt = internal_getopt(args, "df")) != -1) {
+   while ((opt = internal_getopt(args, "dfo:")) != -1) {
        switch (opt) {
        case 'd':
            fuse_argv[argidx++] = "-d";
@@ -651,6 +651,12 @@ static int booze_builtin(WORD_LIST* args)
            fuse_argv = xrealloc(fuse_argv, (argidx + 1) * sizeof(char*));
            break;
 
+       case 'o':
+           fuse_argv = xrealloc(fuse_argv, (argidx + 2) * sizeof(char*));
+           fuse_argv[argidx++] = "-o";
+           fuse_argv[argidx++] = strdup(list_optarg);
+           break;
+
        default:
            xfree(fuse_argv);
            builtin_usage();

writeの関数では変数が設定できなかった

readの関数では標準出力に読まれるデータを出力します。ということは、writeの関数ではその逆で標準入力に書かれたデータが来ます。

ところが、これが問題で、入力を受けるために子プロセスが起動されてその中でwriteの関数が実行されます。ということは、その中で変数を更新してもそれは他の関数には反映されないんですねえ。めんどい。

ということで、こんな感じで処理しました。

JOURNAL=journal
load_journal() {
    test -e ${JOURNAL} || return 0

    source ${JOURNAL}
    rm -f ${JOURNAL}
}
add_journal() {
    local name="$1"
    value=$(eval "echo \$${name}")
    echo ${name}=${value@Q} >> ${JOURNAL}
}

f2t_read() {
    local path="$1"
    local readlen="$2"
    local offset="$3"

    check_file_path "$path" || return 1
    load_journal
...
}

f2t_write() {
...
        USER_ID="$(</dev/stdin)"
        add_journal USER_ID
...
}

pretty_inspectがうざかった

mikutter-modeのプラグインの元のコードは以下のように、"pretty_inspect"でいい感じに出力してくれてきれいです。でも、改行が入ってると"abc\n" + "def"みたいな感じになってbash側で読むのがめんどいんですよね。なので、以下のように変えました。

diff --git a/plugin/mikutter_mode/mikutter_mode.rb b/plugin/mikutter_mode/mikutter_mode.rb
index 2fa8372ce675..c4e2ea55403a 100644
--- a/plugin/mikutter_mode/mikutter_mode.rb
+++ b/plugin/mikutter_mode/mikutter_mode.rb
@@ -22,7 +22,8 @@ Plugin.create(:mikutter_mode) do
           notice "ruby code execute: \n#{file || code}"
           r = Server.main.instance_eval(code, file || "mikutter-mode onthefly executer")
           notice "returns: \n#{r.pretty_inspect}"
-          [r.pretty_inspect]
+          #[r.pretty_inspect]
+          [r.inspect]
         rescue Exception => e
           notice "exception:"
           notice e

tweetの区切り文字

前の方のrubyコードをよく読んでいたらお分かりですが、各ツイは" <本文>"の形で文字列され、さらにそれらを"<>"でjoinしたものが出力されます。古式ゆかしい巨大掲示板でよくやる方式ですね。

NULL文字でのjoinも考えたんですが、mikutter-modeのプラグインが死ぬのでやめました。

dbus-sendは使えない

D-Busたたくコマンドというとdbus-sendがありますが、今回の用途には使えません。dbus-sendではvariantを表現する方法がないのです。

DBUS_SESSION_BUS_ADDRESS わたすのめんどい

FUSEを動かす都合上、スクリプトはrootで動かす必要があります。一方で、mikutterをrootで動かすのはアレすぎるので、mikutterは一般ユーザの権限で動いています。なので DBUS_USER, DBUS_SESSION_BUS_ADDRESS を環境変数で渡して、うまいことやってやる必要があります。

capabilityをうまくやったりしたらいけるのかもしれないけれど、めんどかったので。

なんかmikutter側でアカウントをtwitterのに変えとかんとだめだね

うまくふぁぼれないみたい。いま気づいたよ。まあそもそも、"tw = Plugin.collect(:worlds).to_a[1]" これも雑なので。使いたくなったらうまく変えてね。

Adventしたよカレンダーまだあいてるよ!

としぁ Adventしたね Calendar 2022 #toshi_a解凍 まだあいてるよ! 登録してね!!

docs.google.com

それではまた

コードはこちら

github.com

では最後に

$ cd /mnt/f2t
$ ls [0-9]*
1509907199010611200  1510963930205544450  1510983572399689730  1510991766572347392  1511337725479497730
1509908201327763469  1510974849564372993  1510983608713981954  1511337205486452738  1511337915154333700
1509912170800328706  1510974859496501253  1510990036564529160  1511337272939286529  1511339259349073922
1509912225514885122  1510975098974453763  1510991713069789186  1511337376295317506  1511339988646252548
$ for x in [0-9]*; do echo 1 > $x; done

としぁ Adventしたね Calendar 2022 #toshi_a解凍 1日目

さて, としぁ Adventしたね Calendar 2022 始まりました. これは, としぁが解凍されadventしたことを祝うカレンダーです. 25人集まって記事を毎日書けると理想的なんだけどね.

docs.google.com

キリストは3日で復活しました. 一方, としぁは2017年9月28日に凍結され, 2022年3月26日に解凍されたので, 1640日で復活です. キリストの546分の1の復活力です. キリストの復活力が53万なら, としぁの復活力は969というところです. かめはめ波ベジータ編の悟飯ぐらいあるっぽい *1. やるじゃん. やっぱふぁぼで倒れるたびに強くなっていったのかな.

そんなとしぁ氏との心暖まる交流の日々を思い出そうと思って, twilogを見てみましたが, こっちはまだ凍結されてました. 残念.

そこでTwitterからデータをダウンロードして, @toshi_a で検索していろいろ見ました. なんかリプは入ってないっぽいけど, 昔はリプの概念もなかった感じやし? (そうだっけ?APIの都合?) リプ見だすとめんどいので, もう今回はこれで.

なつかしトピックいろいろあるんですが, 結局ふぁぼ関連ばっかりだわ.

ふぁぼについて

ふぁぼられを煽り煽られていたころの様子です

このころ使っていたEmacs Lispで、@の入ったツイをとばすのがめんどかったんだと思う。

ふぁぼる理由

Emacsでふぁぼりまくることでasync processが大量に出てきてた様子です

昔は, ふぁぼでmikutterが落とせたりしました. mikutterは, ふぁぼと共に強くなった.

こんなDMが来てました. やばいですね.

画像

で, 一時期はそれをリプでやってたので, こんなことに

これがやがて凍結につながったんでしょうか.

https://twitter.com/toshi_a/fav-terrorist/members

しかし, 時は流れもう"fav-terrorist"のリストはないようです. そうです. ふぁぼテロは殲滅されたのです.

 

togetter.com


その他

としぁ氏はEmacsなのでsexpで設定できます

 

まだ賽銭箱もらってないです. としぁさんの預金は8bitなので*2しかたないかもしれません.

 

おまけ: なんでもないコードです

(let (prev)
  (while (or (null prev) (< prev (point)))
    (let ((base-id (get-text-property (point) 'base-toot-id))
      (toot-id (get-text-property (point) 'toot-id))
      (faved (get-text-property (point) 'favourited-p)))
      (when (and (string= base-id toot-id) (not faved))
    (mastodon-toot--toggle-favourite))
      (setq prev (point))
      (mastodon-tl--goto-next-toot)
      (redisplay))))

再掲: としぁ Adventしたね Calendar 2022 登録してくれ!!!

docs.google.com

 

こんなに増えたけど, この後増えてない!! ふぁぼをするなら登録してくれ!

画像

「ノンフィクション・調査報道に特化したサブスク」SlowNewsを30日無料体験した

SlowNewsってなに

SlowNewsという本・記事のサブスクサービスがある。月額1,650円で、各社の新書(の一部)や、海外の調査報道の翻訳、SlowNewsオリジナルの連載記事などが読める。

https://slownews.com/

これの30日間無料体験を試した感想の記録。

どうして試したの?

インターネットに疲れたので。かつては、Twitterを見ているといろいろ面白トピックがあり、なんとなく勉強になったり、知らないネタを仕入れたりすることができた。ところが、いまや疲れるようなめんどい話題ばっかり見かけるようになってしまった。TLの作り方が下手という面もあるのかもしれないが、公式アプリは燃えてる話題・燃えそうな話題をトピックと言ったりニュースと言ったりして流してきているばっかりになってしまった。

ニュースサイト・新聞社のサイトも状況はあまり変わらない。その場その場の速報性を重視して、釣りのようなタイトルをSNSに流して流しっぱなしになっている。記事が短いので深入りができてこない。課金すれば違うのかもしれないが、課金する気にならないほど釣りタイトルで気持ちが弱ってしまう。まあ、NHK NEWSのサイトは結構しっかりとした分量の記事を書いてると感じるが…。

人々はそんな引火性コンテンツをちら見しては、不確かな情報と偏見で殴りあい争うようになってしまった。インターネットはつらい。

そんな中で「ノンフィクション・調査報道に特化した」サブスクとして、SlowNewsを知った。面白そうだとは思っていたものの、月1650円というところで、なかなかの手ごわさを感じて試せていなかった…が、まあ2022年になったことだし、いっちょ試してみるかと思い30日体験を開始した。

どうだったの?

そして、先日30日の体験が終わった。

体験期間中に読んだのは以下のもの。

slownews.com

これはオリジナルの連載。とりあえずオリジナルものを、ひとつ読んでみようと思ってその時トップページにあったものを読んだ。知らないものの話でなかなか面白かった。

slownews.com

slownews.com

この2つは新書?単行本?っぽい。よく見たら、1500-1700円ぐらいの本だったので、実はこれだけで元がとれてはいた。

社会保障に関して、基本的なデータがよく載っていてよかった。いや、社会保障難しいね、との気持ちになってしまう。ただ、どちらか一方だけ読んでも十分かもしれない。

slownews.com

slownews.com

slownews.com

これらはThe New York TimesNewsweekの翻訳記事。うち1つはYahooニュースでも同じものを見つけて、うーんとなってしまったが、まあそういうのもあるんだろう。

コンテンツ一覧を見てると、まだ読んでないけどこんな面白そうなものもある。あれってどうなってたんだっけ〜?というもので気になるところのものとか、有名なあの本とかだ。

slownews.com

slownews.com

slownews.com

slownews.com

slownews.com

どんなコンテンツがあるの

コンテンツは、各社新書 + オリジナル連載 + 海外報道の翻訳という感じがする。作品一覧は課金せずとも見ることができる。見た感じ530本ぐらいあるっぽい。

slownews.com

各記事にはタグがついているので、そこから面白そうなところをひっぱってくることもできる。たとえば

さらに、月に20-30冊ほどコンテンツ追加されている、らしい。

秀逸な機能として、全文検索がついているし、なんとこれは課金しなくても使える。たとえば「年金」で検索すると、ずらずらと本の一覧が出てくるし、本文の該当部分がちょろっと出てくる。

年金 - 検索 | SlowNews (スローニュース)

総合的にどうだった?

びみょ〜な空き時間の使い方として、かなり体験が良い。(最近アプリ出たらしいけど *1 )基本、ブラウザで読めるのでスマホでもPCでもタブレットでもスッと読める。歯磨きとかのちょっとした空き時間に、TLを見て疲弊する代わりに、新書なり調査報道なりをちょろちょろ読めるのは気持ちが穏やかにもなるし学びにもなりよい。

表示も、いい感じのところで改ページされたふつーのテキストで、変にゴテゴテしてることもなく読みやすい。フォントの種類やサイズ・背景色・横組み・縦組みとかも変えることができる。下手な新聞社サイトより自分好みに読めるかもしれない。

検索機能は、かなり好きな機能との感触がある。インターネットで人々が不確かなことをつらつら語る中、あーあんなデータあったなーと思いつつ検索すれば、該当記事がでてくる。その記事の中には、だいたいソースのついたデータがあって、本当かどうか確認することができる。べんりだ。(もちろん著者が100%信頼できるとは言えないのだけど)

問題は値段との兼ね合いだ。月1,650円という値段は他のサブスクの値段としては結構強気だ。動画配信と違って、そんなになんとなく流しておくこともできないし*2、読まないとまるっと簡単に「損」してしまう。

とはいえ、新書の値段を考えると、月に1-3冊分ほど読めばだいたい元はとれるし、本屋・図書館に行くような手間もカットできる。どこでもサクッと読んでクローズできるので、ちょびちょび読み進めることができる。そのうちに、だいたい元はとれる…ような感じがする。

なんやかんや、上にあげたようなオリジナルの調査報道系記事をまだ読めていないのが体験として痛いところではある…が、まあ新書読んでいい体験ではあったし、もうちょい続けてみようかと思う。

まとめ

燃えさかるインターネットとニュースに疲れて、ゆっくりしっかりした記事と報道を読みたくなった。月1650円のサブスクで読む記事は安住の地となるのかどうか。探究は続く。

*1:https://twitter.com/SlowNewsJP/status/1492359599646965767

*2:そういえば、読み上げ機能もあるのだが、速度調整できないので使っていない

2021年 摂取コンテンツ

2021年ももうすぐ終わりですね. 年末ということで, 2021年に摂取したコンテンツについて振り返っておこうかと思います.

2021年は漫画ふくめて288冊分読んだらしいです.

なんとなく心に残ったものをリストしておきます.

漫画

  • エンチャントランド

www.amazon.co.jp

超能力を持った人が学園で色々解決する的な話です. 超能力の表現が大変秀逸で, たとえばテレポートを使うという時に, 世界を平面にフラットにつぶして, カーペットのように巻き込んで, 行きたい場所にジャンプして世界を戻すというような表現が独特でおもしろいです.

Kindle Unlimitedで読めるんですが, 途中までしかない感じがします. 続きは, 多分作者さんのサイトで物理本を買うといいのかな.

面白かったので, 同作者の「エイリアン9」も買って読んでいます.

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  • 月読 自選作品集

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日出処の天子」の山岸凉子さんの作品集です. 古事記日本書紀ギリシャ神話をモチーフにした短編集で, じっとりとした不気味な感じもありつつも美しくもあるいい感じです.

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言わずとしれた. Webで(ほぼ?)全巻公開してた時に一気に読みました. 29巻いつでるんだろ?

  • ニジとクロ

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やっさしーい, ふんわりとしたふんいきで, そしてニジもクロもかわいいんだこれが.

  • Harlem Beat

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去年から読んでたけど, 今年読み終わったっぽい. 個人的にはバスケ漫画では一番読めて好きでした.

実用書

  • 世界一ぜいたくな子育て 欲張り世代の各国「母親」事情

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いろんな国の母親事情が素朴に語られていてよかった. 各国, その国なりの文化・歴史の中で「母親像」が作られ, いろんな事例があるんだなとなる. 別に深い考察まではなく、結論めいたものもないんだが、各国事情が実際のその地の人ベースに語られていて事例としてよいというか. 視点が広がってよかった.

  • 料理の四面体

https://www.amazon.co.jp/dp/B073DYQNC9www.amazon.co.jp

全ての料理(の基本)を火・水・空気・油の四要素から捉えるという面白い本. とかく, 料理のレシピ行程はよく意義がわからんかったりするが, これを読んで料理を要素的に分析できるようになって, 見方が変わった……気がする.

ローダン

ローダンもあいかわらずぼちぼち読んでます. 400巻まで読み終わりました. というか, 今年は3冊しかローダン読んでないです. 一方, 新刊は一年で24冊出てるはず. だめですね. このままじゃ, ローダン読み終わる前に死んでしまいます. まあ, どうやってもそうなるんですけど.

とかいいつつ, ローダンNEOも読んでます.

Web漫画

Web漫画も死ぬほど読んでいて, そこから気がむいたら単行本出たら買ったりしてます.

  • クマ撃ちの女

kuragebunch.com

狩猟系漫画というのは結構あるんですが, どうしてもノンフィクション方向が多いため, ある意味「ちゃんとしていてきれいな」感じがします. そんな中, この漫画は, 泥くさいような現実的な話・描写も多くてその面白みがいいです. 単行本買おうと思います.

shonenjumpplus.com

金をバインバインするのはおもしれえ. 意味わからんけど, テンポよくておもしろいんだよなあ. 単行本買いました.

  • 忍者と極道

comic-days.com

いいよね. 単行本買いました.

PodcastNHKラジオ

なんやかんや耳がフリーな時間帯が多いので, めちゃめちゃPodcastNHKラジオを聞くようになりました. Aeropexに大変お世話になっています.

科学

pages.audiobook.jp

毎週, 最新科学情報とコロナ情報(有料)を紹介している番組. audiobookで有料購読してます.

  • すごい進化ラジオ

podcastranking.jp

  • そんない理科の時間

sonnai.com

文系教養

  • 私の日本語辞典

www4.nhk.or.jp

NHKラジオは結構教養的おもしろコンテンツあっていいです. 「私の日本語辞典」は, 1つのテーマを全4回でその研究をしている大学教授などプロに聞くという感じでめっちゃいいです. 質問するアナウンサーの方も, 著書を読んでいるようで進みもいいです. というか, 本のタイトル紹介されるとそっちも読みたくなってこまっちゃいますね.

  • 古典購読

www.nhk.or.jp

古典文学を読む番組です. いまは紫式部日記をやってます. 普通に古文原文が読まれるので, まあむずいですが, 現代文訳もあるので大丈夫です. あー「な〜そ」〜とか思います.

  • おしゃべりな古典教室

www.nhk.or.jp

こっちはもうちょいふわっとした感じの古典. というか, 別にいつも古典やってる感じでもない.

  • カルチャーラジオ 歴史再発見

www.nhk.or.jp

「愛の思想史」とか「神に仕えた女性たち」など歴史系で面白い話やってます. 「私の日本語辞典」よりちょいむずい気がします.

  • コテンラジオ

cotenradio.fm

これはNHKではない. いろんな歴史について面白おかしくわかりやすくしゃべっててよいです.

Wonderly

Wonderlyってとこがいろんなpodcast(事件とか歴史とか様々)をやっていて, 結構面白いので聞いてます(英語です)

Shows - Wondery - Feel The Story

  • Businnes Wars

Business Wars - Wondery - Feel The Story

最初に聞きはじめたのがこれ. いろんなビジネスのライジングアンドバトル話で聞きやすい. 結構わかる. 特に知ってるあたりだとよくわかる. BitcoinとかFirst Computer Warとかnapsterとかbrowserとかよさそう.

いくつかのエピソードが日本語翻訳されてて, これもよい.

www.1242.com

American History Tellers - Wondery - Feel The Story

アメリカの歴史をやってる. フィリピン-アメリカ戦争など地味に知らなかったあたりをやってくれるので, 適当にwikipediaを見て補完しつつ0.9倍などで聞くと結構聞ける.

物語

www.nhk.or.jp

いろんな本を全5回か10回ぐらいでラジオドラマとして放送. とても面白いし, いろんな本と出会えるので, いいですね. なんなら中学生の頃も聞いてた.

  • 朗読の時間

www.nhk.or.jp

こっちもいろんな本をやってはいるんだけど, 青春アドベンチャーよりも昔よりで, かつ文をそのまま読んでいるという感じ. こちらも面白い.

来年のコンテンツ

これまでのコンテンツの取り方に限界を感じて(本が読めてない), コンテンツの取り方を変え始めてきた一年でした. 主にPodcastを聞くことが増えました. 来年は読む部分も変えていきたいかと思います.

  • SlowNewsの契約

slownews.com

SlowNewsはノンフィクションのルポとか新書が読めるサブスクです. 月額1650円なのでサブスクとしてはちょい高いなと思う感があります. とりあえず30日無料体験をやっています. いまのとこよさげ.

ツイは時事ネタをキャッチするにはいいんですが, 最近特に時事ネタをてきとーに燃えるように消費することにばかり特化されている気がしていて, 嫌気がさしてきていました. かといって, 現実問題を読むのも好きなので, より深く長く追えるような媒体がないかと探していた時にSlowNewsを見つけました. ちょっと期待しています.

  • Web漫画へらす

最近のWeb漫画は更新多くて読むの大変ですね. 惰性っぽく読んでるのも増えてきたので切っていきたいという感じがします.

  • 読む本のテーマを決める

Twitterとかブログとかで紹介される本をAmazonのほしいものリストとかブクログの読みたい本に積んではいるのですが, 積みすぎで「ん…?これなんで読みたい本なんだっけ?」となるやつも増えてきました. 結局, いろんなテーマの本をあちこちつまみぐいしすぎなので, 毎月ぐらいで新しく読みはじめる本のテーマを決めて集中的に知見を上げていきたいです.

  • podcastはとりあえず現状維持

podcastもだいぶ貯ってるんですが, まあ1.5倍とか2倍とか流し聞きとかもできるのでなんとかなるかなという感じです. 来年は切っていくのがいいとか言ってるかもしれないが.

ということで, 世の中いっぱいコンテンツはありますが, 面白いものを見つけて楽しんでいきましょう.

NHKラジオ第2 私の日本語辞典「品種の名からたどる米の歴史」(第1・2回)聞いた記録

NHKラジオ第2 私の日本語辞典「品種の名からたどる米の歴史」を聞いた記録です。聞きながらのメモベースなので、間違いもあるかもしれませんのであしからず。

日本の稲に2種類ある (第1回)

1つは古くからある熱帯ジャポニカで、焼き畑などで作れる粗放で、全体的に大柄な稲です。揚子江の南などにもあったようで、そこからダイレクトに伝わってきたのでは、と言われていました。

もう1つの種は、温帯ジャポニカと言います。いわゆるいま見える水田の稲作で使われるもので、全体的には小柄。熱帯ジャポニカと比べて、潤沢な肥料により成長しやすく、時代とともに使いやすくなるような特徴があったようです。

ただ、温帯ジャポニカは、昼間の長さに成熟が左右されやすく、関東のような北の方でももう穂がつかないなどの問題がありました。これが、熱帯ジャポニカと交雑し熱帯ジャポニカの遺伝子を獲得することで稲作が北上できるようになったとか。

古代の稲作の調べ方 (第1回)

さて、こうした古代の稲作を調べるのはどうするのでしょうか。これにはプラント・オパールというものを使うようです。プラント・オパールは稲の葉っぱに溜ったガラス質のもので、腐らないので地層からも出てきます。これを調べることで、古代の稲作の場所がわかり、その品種もわかるということのようです。

www.miyazaki-u.ac.jp

稲の品種の名前 (第2回)

第2回は稲の品種の名前を多く扱っています。

奈良時代の頃から種子札というものが種の袋につけられ、品種名・生産者・特徴などが書いていたようです。この時代には品種という概念ができていたことがわかります。

いくつか面白かった品種名を書いておきます。

畔越(あぜこし): 成熟した時に、畔を越えて隣の田んぼに倒れていた(あるいは、それを願った)

酒流女(するめ): 成長が早い稲の早稲。

yomodado.blog46.fc2.com

このように品種にはその特徴、あるいは願望をこめてつけられていたようです。

早稲(わせ)はべんり (第2回)

早稲は早くとれる稲。これを使うことで2点便利なことがありました。1つは普通の稲が天候などで不作になったときのリスクヘッジ。早稲で早めに食糧を確保しておくと安心ということですね。

もう1つは戦争する時に、早く田んぼをあけられれば、早く農民から兵を出せる。あるいは、敵が攻めてきて田んぼを焼かれて収穫ができないことを防げるといった点があったようです。

ということで、早稲に関する品種名は多いようです。

大唐米 (第2回)

大唐米は中国から伝わってきたコメの品種で、赤米でインディカ型のお米です。そうすると、日本人の味覚的には、ぱさぱさで水が多くないとうまくたけない特徴があります。また、土地がやせていても水が悪くてもできた品種だったようです。

この大唐米が「税金逃れ」的に使われていたという話がありました。コメの特徴から年貢米になりにくいことから自分のものにしやすかった。また、早稲という特徴を活かしたエピソードもありました。田んぼの真ん中には普通の米を植えておいて、畔道のまわりに大唐米を植えておく。大唐米は先に収穫して、普通の米の収穫のころ、お役人が来るころには普通の米の実りしか見えない、というようなわけです。

このように便利だったので、大唐米は近代まで残っていたようです。

NHKラジオ第2 私の日本語辞典「ことばでたどる化粧の文化」聞いた記録

最近はPodcastを聞いたり、NHKのラジオを聞いたりしてます。NHKのラジオは、柳田国男の本の朗読があったり、様々専門家に全4回ほどでいろいろ聞いてくる番組がありよいです。

 

ということで、今回はNHKラジオ第2 私の日本語辞典「ことばでたどる化粧の文化」を聞いた記録です。

www.nhk.or.jp

 

全4回で日本における化粧の文化を時代を追って解説している番組です。全4回それぞれのまとめを書こうかとも思いましたが、普通にめんどいので面白かった部分を切りだして書いておきます。聞きながらのメモベースなので、間違いもあるかもしれませんのであしからず。

 化粧の4つの機能 (第1回)

化粧には以下の4つ機能があると紹介されました。

  • 美しくなる
  • 実用性
  • 社会的機能
  • 呪術的・宗教的機能

ここで、実用性というのは例えば自衛隊の顔のペインティングなどです。社会的機能とは、典型的には昔のお歯黒のように既婚・未婚などを表す化粧です。呪術的というのは、たとえばお祭りの時に稚児が額に赤い点をつけて、神の依代であるのを示すというようなことでした。

 日本の化粧の基本色 (第1回)

日本の古代からの化粧の基本色は白・赤・黒であると紹介されていました。この3色による化粧が、明治になって西洋の化粧が入ってくるまで使われていたようです。

白の化粧 (第2回)

いわゆるおしろいになるかと思います。おしろいは古代から米をつぶしたもの(穀物おしろい) -> 鉛おしろい -> 水銀おしろい、と変わっていきます。

ただ、江戸時代には鉱脈が絶えたこともあり、水銀おしろいは身分の高い人のみになっていたようです。水銀おしろいの方が、若干キラキラするらしく良かったとか。

赤の化粧 (第2回)

江戸時代に紅花の紅を使っていたようです。文化文政時代には、紅をたくさん塗って唇を玉虫色にするのが笹色紅といって流行ったんだとか。紅をたくさん使えない人のために、炭を塗ってから紅を塗るという代用法も紹介されていました。

黒の化粧 (第2回)

お歯黒と眉を剃ったり描いたりの化粧です。

江戸時代には結婚するとお歯黒をし、子供ができると眉を剃るよるような習慣だったようです。社会的機能の化粧というやつですね。

お歯黒で塗るものは、お歯黒水とふしのこを混ぜた黒インクと同じ成分の液体です。お歯黒水はおかゆか、うどんの茹で汁・お酒・お酢・古い釘などの鉄分を煮込んで、醗酵させたもの。ふしのこはタンニンを含む粉です。

お歯黒水の製法から想像できる通り、とても臭かったようで、家人が起きてくる前につけるとかしていたようです。他にもなかなか定着しない人は、るりのつゆ(?)をつけて歯のエナメル質を溶かしてからお歯黒をつけるなどもあったようです。

そんな苦労もありながら、結婚・子供の証明となる幸せの象徴となったり、まあ色々いまから見ると難しいですね。

武家社会の男性の化粧 (第1回)

平安の在原業平などが化粧していた(お歯黒もしてたとか)ものが、段々と平家、身分の高い武士のなども化粧するようになっていたようです。面白いのが、身分の高い武士が化粧していた理由が「戦場で首をとられても大丈夫なように」という話でした。最期まで美しくですかね。

江戸時代の美的感覚と目を小さく見せるコツ (第2回)

当時、目が大きいのはあまり良くないとされ、対策として「座ってるときは半間先斜め下を見る。立っているときは一間先を見る。伏し目がちになって、目が大きく見えなくて良い」というのが紹介されていたようです。

明治・大正の化粧 (第3回)

明治政府の方針として、外から見える日本独自の風習は変えたい、ということでお歯黒・眉化粧をなくしていくこととなりました。皇后・皇太后がお歯黒・眉化粧をやめましたと宮内庁が発表したりもしたようです。これにより、眉も自然な眉・太い眉がよいと変わっていきます。

大正には肌質別の化粧水・目的別のクリーム・ブルーのアイシャドウ・リップスティック・つけまつげなども出てきます。また、おしろいも、かつては白一色であったのが、肉色・肌色と言われるように多色化していきます。

戦前・戦後の化粧 (第4回)

第4回は基本的に各時代の流行をかけあしでいったので、列挙しておきます。

  • 戦時中
    • アイシャドウは早くに禁止される
  • 終戦直後
    • ファンデーションが入ってくる
      • 白・肌色からピンクへ
  • 昭和30年代
    • オリンピックとカラーテレビによりアイシャドウの流行
  • 昭和40年代
    • レジャーの流行から、小麦色の肌のブレイク
    • 立体的メイク
  • 昭和50年代
    • 日本人にあった化粧 ナチュラルメイク
    • 自立の象徴としての太眉
  • 平成
    • 多様化して大きな流行で括りにくい時代
    • 1000年ほど続いてる黒髪が美しい美意識が変化し、髪を染めることが一般的に
    • 容姿より気立てという意識から、見かけがよりプラスのイメージで語られるようになる

化粧の意識

いまでも言われていますが(めんどそうですが)化粧は身だしなみとの意識が古くからあったようです。そのために、戦時中であっても、マナーであるために薄化粧は可能であったといった話がされていました。根強いものなんですねこれ。

 

以上、化粧の側面から見て時代とともに意識が変わっていくのが見てとれます。その一方で化粧がマナーとか意外と長い習慣なものもあるのだなと知りました。

このまとめ、4回分でまとめてやると長いし大変なので、1回聞くごとぐらいでやれるといいですね。ではまた、やれたらやります。